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大手メーカーの特徴的なキャンペーン・プロモーション【最新事例まとめ】 9ページめ

食品メーカーや家電メーカーなど、知名度や影響度の高い企業が中心となって開催した特徴的なキャンペーン事例をご紹介。SNSキャンペーンやWEBサイトを活用した販売促進から、周年記念のロイヤリティ向上施策など、話題作りに最適なアイデアや切り口を解説していきます。

キリンラガービール えらべる「名品」が当たる!プレゼントキャンペーン|キリンビール株式会社

キリンラガービール えらべる「名品」が当たる!プレゼントキャンペーン|キリンビール株式会社
キャンペーン概要対象商品を1本または12本購入したレシートまたは納品書を撮影して WEB フォームにアップロード。コンビニ限定コースも。
インセンティブ1本コース:えらべるPay1,000円分 200名様12本コース:日本のおいしい食べ物ギフトカタログ 蓬(よもぎ)【10,000円相当】 30名様
使用SNSなし

キャンペーンのポイント

【キリンラガーの購買促進施策!】

キリンのラガービール限定のレシートマストバイキャンペーンで、1本もしくは12本購入したレシートまたは納品書を撮影して送るというもの。コースが「コンビニ限定」か「それ以外」で別れている珍しい形式です。

コンビニコースでは、1本か6本の購入となっており、6本パッケージ買いのパターンを作っています。コンビニでビール買う際に「どうせなら追加で5缶買って6本コースも狙おうかな?」とアップセルを誘発しているわけです。

【レシートマストバイでアップセル!】

こういったレシートマストバイキャンペーンで疑問に思うのは、今日2本買って、登録。翌日4本買って登録。合計で6本になるマイレージ式のキャンペーンなのかというもの。ユーザーに説明するのは難しいけれど、お問い合わせにはたくさん上がってきそうな内容です。

実際応募規約を見ると、複数枚を1回で応募可能で、1回につき1口と書かれています。

つまり、複数に分かれたレシートを一度でアップできた場合は合算できるけど、2回に分けてレシートを送った場合は1本コースということになります。そのため貯まるまでレシートは取っておく必要があるわけですね。

アップしたレシートで貯めておいて、ポイント消化するようなやり方はユーザー的にはわかりやすいのですが、費用がかかりやすいというのもあります。

350ml缶1本から応募可にすることでライト層の購買ハードルを下げ、量販とコンビニで口数と賞品を変えケース買いまでアップセルをさせる良いやり方です。

キリンラガービール えらべる「名品」が当たる!プレゼントキャンペーン|キリンビール株式会社
キリンラガービール えらべる「名品」が当たる!プレゼントキャンペーン|キリンビール株式会社

【動画で解説!】キリンラガービール えらべる「名品」が当たる!プレゼントキャンペーン|キリンビール株式会社

ドイツNo.1岩塩アルペンザルツを買って当てようキャンペーン|SKWイーストアジア株式会社

ドイツNo.1岩塩アルペンザルツを買って当てようキャンペーン|SKWイーストアジア株式会社
キャンペーン概要対象商品を購入したレシートをフォームからアップロード。同時に精肉を買ったレシートなら当選確率2倍に。
インセンティブA賞:LALALUCTUS サクットエアーフライヤー SE6700・・・5名様B賞:カタログギフト 選べる国産和牛カタログギフト 健勝(けんしょう)・・・10名様C賞:「於愛の方」ふるさと『オーガニック野菜セット(Mサイズ)』・・・10名様Wチャンス:デジタルギフト(デジコ)3,000円分・・・100名様
使用SNSなし

キャンペーンのポイント

【購買シーン創出!】

ドイツ・アルプス生まれの岩塩ブランド「アルペンザルツ」が、今年は買って当てるレシートキャンペーンを実施しました。

2005年から購入証明不要のフォーム応募のみでドイツ旅行招待をコアに据えたキャンペーンを去年まで実施していて、2024年で旅行キャンペーンは20周年でしたが、2025年のレシート施策はカウントを引き継がず、 新シリーズとして位置付けられています。

今キャンペーンは、対象のアルペンザルツを1本買ってレシートをアップロードするだけで、エアーフライヤーや国産和牛カタログなどが狙えるシンプル構造に購買促進を乗せています。

【肉売り場で選ばれる塩!】

さらに精肉を一緒に買ったレシートなら当選確率が2倍になる仕掛けもあり、塩と肉の最強コンビを実体験で訴求しています。

キャンペーンサイトにオンライン販売サイトのリンクを置き、すぐ買えるようにしてありますが、肉は生肉が対象のため、ヨドバシカメラで購入できるのでしょうか。若干、冷凍肉の取り扱いがあるので、それを一緒に買えば当選確率が上がりそうです。

公式 Instagramでは、塩を使ったレシピをインフルエンサーが作って公開するコンテンツを随時更新。期間中はエアーフライヤーを使ったレシピ動画を公開しています。塩を使ったレシピは無限にあるのでなかなかフォーカスが難しそうです。

当選確率2倍に引きずられ、精肉売場で「今日のステーキ塩はこれ」とついカゴへと誘われることでしょう。

ドイツNo.1岩塩アルペンザルツを買って当てようキャンペーン|SKWイーストアジア株式会社
ドイツNo.1岩塩アルペンザルツを買って当てようキャンペーン|SKWイーストアジア株式会社

【動画で解説!】ドイツNo.1岩塩アルペンザルツを買って当てようキャンペーン|SKWイーストアジア株式会社

ハチ食品創業180周年記念キャンペーン|ハチ食品株式会社

ハチ食品創業180周年記念キャンペーン|ハチ食品株式会社
キャンペーン概要応募フォームから、簡単なクイズとアンケートに回答し、必要事項を記入して応募
インセンティブA賞:ペアハワイ旅行(抽選で5組10名様)B賞:ペア信州宿泊(抽選で10組20名様)C賞:るるぶ×HACHIコラボシリーズ全品セット(抽選で165名様)
使用SNSなし

キャンペーンのポイント

【シンプルな周年コンテンツ!】

ハチ食品が創業180周年という節目を迎え、記念のクイズキャンペーンを実施しました。周年を自社の強みを訴求する切り口にしつつ、実に簡単な〇〇をうめる系のクイズになっています。

回答が直ぐそばに書いてある、新聞時代からある古の方法ですが、問題文に自社の強みをいれることで「国産初カレー粉を出した会社」や、「スパイスに強い会社」というのを即座に理解させつつ、サクッと応募できるので、思わず参加してみたくなり、なんかしらのタッチポイントを複数作ることができています。

簡単なクイズの分、インセンティブは豪華で、ハワイ旅行という非日常的な賞品が用意されています。なぜハワイ旅行や信州旅行が当たるのかというと、「るるぶ」とのコラボ商品「ハワイ ガーリックシュリンプ風カレー」が新発売するからだそうです。

【食と旅で新たな楽しみ方を提案!】

SNSを活用したリポストキャンペーンを同時開催することで、若年層やSNSユーザーへのキャンペーン認知拡大も狙っています。こちらは話題化狙いのインセンティブで、欲しくないからこそ当ててみたいという感情が生まれそうです。

るるぶ×HACHIコラボシリーズはいろんな国のカレーを出しているそうです。このような商品を通じて、ハチ食品は「食で旅する楽しさ」を提案し、消費者との新たな接点を作っています。

ハチ食品創業180周年記念キャンペーン|ハチ食品株式会社
ハチ食品創業180周年記念キャンペーン|ハチ食品株式会社

【動画で解説!】ハチ食品創業180周年記念キャンペーン|ハチ食品株式会社

中の人の裏ブルガリアレシピキャンペーン | 株式会社明治

中の人の裏ブルガリアレシピキャンペーン | 株式会社明治
キャンペーン概要「裏ブルガリアレシピ」を閲覧し、レシピに関連するクイズに回答。正解者の中から抽選で賞品が当たるキャンペーン
インセンティブ抽選で100名様にオリジナルチャームをプレゼント
使用SNSX

キャンペーンのポイント

【「裏」でいつもと違うイメージを提供!】

明治ブルガリアヨーグルトが展開する「中の人の裏ブルガリアレシピ」キャンペーンは、ブランドの再定義と新たな消費シーンの創出を狙った、非常に戦略的なプロモーションです。

一般的に「ヨーグルト=朝食」や「健康管理」という印象が強い中で、本キャンペーンではあえて「裏」をテーマにし、社員(=中の人)たちが本気で考案した、ちょっと意外でユニークなヨーグルト活用レシピを公開。

ブランドの「親しみやすさ」と「多様性」を前面に押し出す構成になっています。

例えば「ふぁっとアンサンブル」など、塩・油・発酵のうま味が重なるようなレシピが紹介されており、レシピごとにビジュアル・味の特徴・アレンジのコツが丁寧にまとめられています。これにより、単なるレシピ紹介ではなく「発見のある読み物」としても楽しめる設計です。

ユーザーは「えっ、これヨーグルトに合うの!?」という驚きとともに、実際に試してみたいという好奇心が自然と湧く導線になっています。

【知る → 試す → 好きになる!】

レシピ閲覧後に参加できるクイズコンテンツが用意されており、ゲーム性を持たせた設計により、サイト滞在時間を延ばし、記憶への定着も促進しています。

正解者には抽選で、明治ブルガリアヨーグルトの歴代パッケージをモチーフにしたオリジナルグッズが当たるというファン心理をくすぐる特典付きです。

このように「インプット(レシピ)→アウトプット(クイズ)→インセンティブ(賞品)」という、心理的な満足感を高める流れが巧みに構築されています。

レシピキャンペーンは王道ですが、それを裏にしていつもと違う見せ方をしつつも、体験・発見・参加を通じて「知る → 試す → 好きになる」というマーケティングファネルをきれいに構築した好事例です。

中の人の裏ブルガリアレシピキャンペーン | 株式会社明治
中の人の裏ブルガリアレシピキャンペーン | 株式会社明治

【動画で解説!】中の人の裏ブルガリアレシピキャンペーン | 株式会社明治

クラッツ片手にクイズに挑戦! | 江崎グリコ株式会社

クラッツ片手にクイズに挑戦! | 江崎グリコ株式会社
キャンペーン概要対象商品であるクラッツのパッケージ裏面にある二次元コードをスマートフォンで読み取り、特設サイトでサッカーに関するオリジナルクイズに挑戦
インセンティブ5問すべて正解すると限定のオリジナルスマホ壁紙をプレゼント
使用SNSなし

キャンペーンのポイント

【クイズに答えて壁紙ゲット!】

クラッツをスポーツ観戦と相性の良いおつまみとして再定義し、商品購入からエンタメ体験、ブランド接触までを一気通貫で設計したプロモーションです。

対象商品に付属するQRコードから専用サイトへアクセスし、サッカーに関するクイズにチャレンジして全問正解すると、全5種類の限定のスマホ壁紙がその場でもらえます。

クイズ内容は商品ごとに異なるため、複数購入の仕掛けも自然と組み込まれています。

マストバイの枠組みを活かしながら、「クイズに挑戦する楽しさ」と「必ず何かもらえる」という確実な報酬性を、バランス良く両立しています。

参加のハードルも低く、それでいて繰り返し参加したくなる中毒性があるため、短期的な購買促進だけでなく、中長期的なブランドへの親近感の形成にもつながります。

【スポーツ観戦と相性の良いおつまみとして再定義!】

「壁紙」というデジタルインセンティブは、コスト効率が高く、即時性もあるため、景品配送の煩雑さを回避しつつ、ファン向けなのでユーザー満足度を損なわない点もマーケティング的に優秀です。

クラッツを「何気ない夜の楽しみ」から「観戦タイムを彩る主役級スナック」へとポジション変化させることが狙いで、スポーツ観戦の熱量と、ブランド体験を重ねることで、単なる商品理解を超えた感情的ロイヤルティを育成しようとしているのが本施策の肝と言えるでしょう。

クイズという軽いエンタメを取り入れることで、ブランドの親しみやすさを演出しつつ、「クラッツ=ちょっといい観戦時間」というイメージを生活者の中に定着させようとしています。

クラッツ片手にクイズに挑戦! | 江崎グリコ株式会社
クラッツ片手にクイズに挑戦! | 江崎グリコ株式会社

【動画で解説!】クラッツ片手にクイズに挑戦! | 江崎グリコ株式会社